イギリスと日本での経験

ラッシュphotoイギリスにてITECの国際資格を取得。さらに知識を深めるために、St. Mary’s University(ロンドン) などで補完代替療法を2年に渡り学びました。

イギリスと日本のサロン・スパ、そして産婦人科・緩和病院などの医療機関で臨床経験を積み重ね、病院内のメディカルサロンの立ち上げ、コスメブランドや外資系ホテルスパでのマタニティトリートメント導入・技術指導にも携わっています。

マタニティアロマトリートメント講座は、これまで800名を超えるセラピストの方が受講されました。受講前には「妊婦さんは不安」と言っていた方が、今ではマタニティトリートメントがサロンの看板となったり、産婦人科でセラピストとして活躍する方もたくさんいます。

産婦人科チームとしての分娩ケア

マタニティトリートメントphoto2私は現在も産婦人科にて現役セラピストとして、日々妊産婦さんのケアに携わっています。

私のいる産婦人科では、とてもご理解のある医師と助産師の方々に恵まれ、私たち9名のセラピストもチームの一員として迎えていただき、ドクター指導の下、医療を補完する形でトリートメントを行っています。産前・産褥・産後のトリートメントはセラピストチームとして1万症例あります。

また、分娩期のアロマトリートメントもおこなっています。陣痛から赤ちゃんの誕生までの間ずっと、助産師とは違った非医療者の立場から、産婦の心身をサポートをします。陣痛の経過に応じたトリートメント手技、精油の薬理作用、呼吸法などで寄り添い、産痛と不安感の緩和を図ります。 時には医師の管理下で、妊娠中の禁忌と言われる経穴・反射区・精油を積極的に活用することもあります。 その結果、どのように分娩が進行するのかなどは、講座でお話ししています。

133rd_cover_outそしてこの分娩アロマトリートメントは、2018年で1,000例以上あり、医療者や産婦の方々から高く評価されています。
VAS法を用いて鎮痛鎮静効果を立証した論文はaromatopiaにて掲載されました。

日々の臨床経験と科学的根拠

マタニティトリートメントphoto7当スクールの講座は、10年の産婦人科での臨床経験と、学術論文・データに基づく医学的な見地、そして医師・助産師からの助言を基盤としています。それらを講座に落とし込むためには、100人、200人の症例数では分からなかったことが、より経験を積んだ今、ようやく妊産婦ケアを語ることができるようになったと感じています。

マタニティトリートメントはまず安全を第一優先に考えます。元気で健康な妊婦さんであっても、妊娠しているということは、「ノーリスク(NO-Risk)」ではなく「ローリスク(LOW-Risk)」です。
講座ではリスクマネジメントを知り、禁忌症状をセラピスト自身がしっかりと見極める力をつけることを重要視しています。その上で、効果的なトリートメントができるようにしていきます。

当然ながら、当トリートメント手技が原因となる流産早産などの事故はこれまで1件もないことを改めて明記しておきます。

科学的思考による自然療法

国際メディカルセラピー研究会アロマセラピーをはじめとする民間療法・自然療法は、その効果の多くが伝承ベースや経験則であり、療法としてはまだ発展途上の段階です。

そこで更なるステップとして、私たちセラピストが科学リテラシーを養い、科学的思考で自然療法を用いて語ることができるようになることを掲げています。国際メディカルセラピー研究会は、医療の第一線でご活躍中の先生方を講師に迎えて、セラピストが情報を学んで発信する場として立ち上げました。

また2018年に、私自身も筑波大学医学医療系(国際看護学)の先生の下で研究助手を担う機会をいただき、多くの文献に触れることで、あらゆる角度から物ごとを考えることの大切さを改めて感じました。

多くの女性のQOL向上に正しく貢献できるセラピストがどんどん増えていくことを願っています。